無職になったのでブログ、はじめてみた。

くすりと笑ってもらえたら

今週のお題「冬のスポーツ」っていうので書いてみる。

どうも、運動神経を自己評価するならば10段階中6。避野です。

 

今週のお題は「冬のスポーツ」ということで、はてなブログってこんなのもあるんですね。ネタが尽きかけても週一はこういうのがあるならある程度続けられそうです。なので今回はお題に沿って書いてみようかなと思います。

 

先日まで冬季オリンピックが開催されていたということでこのようなお題になったのでしょうが、冬のスポーツ。やっぱりスキーですかね。

 

私は関東地方に住んでいるわけなのですがほとんど雪が降りません。

ですのでスキーやスノボーをするためにはなかなか気分で行けるものではないんですよね。スケートもそうです。小さいことは近くにスケートリンクがあったのですがいつからか凍らせる方が高くつくのか営業をやめてしまいました。

 

そのスケートリンクには幼稚園のころ父に連れられて行ったものです。

父は学生時代アイスホッケーをやっていたそうで、滑るのがかなり上手かったと記憶しています。もう20年以上前なのでうっっっすらですけれど。

 

スキーは中学校の頃、スキー教室と呼ばれるイベントで一度だけやったことがありますね。とにかく滑るのが苦手で初心者コースに入ったものの、2泊3日の間に上達していく同級生とは違い、上手くなることができず、悔しかった思い出が強く残っています。

 

しかし高校3年生。クラスメイトと卒業前の1月だか2月にスノボーをやろうという話になりまして、クラスの結構な人数でお金を出し合い、バスを借りて、スキー場にもホテルでは無くコテージみたいなところを借りて遊んだのは、良い思い出です。

 

なんでそういう話になったのか、誰が言い始めたのかは忘れてしまいましたがクラスの大半が参加してスキースノボ合宿のようなものが開催される運びとなったのです。

 

確か深夜バスで夜中に出発して朝スキー場につき、そこから滑る。ご飯等はスキー場の食堂みたいものを利用して宿泊施設はあくまで泊まる場所。部屋に布団しかなかったように思います。

 

出発当日、バスに乗るために駅に集合して極寒の中ワクワクとしたクラスメイト一同。遅刻者がでないか心配でしたがこういう遊びの時って集合率上がりますよね。誰も送れず定刻通りバスは出発。バスの後方が向かいあわせになってまるでテレビ番組のような雰囲気の座席でワイワイと移動する。

途中何度かサービスエリアや道の駅で休憩をはさみながら翌朝スキー場に到着。

 

スキー場の受付から宿泊場所まで、まずスノーモービルで移動。これでますますテンションは上がりましたが、乗ってみると風が冷たすぎて顔面が痛い痛い。おまけに雪が降り始めてあまりの極寒に冷静になってしまいました。

 

しかし荷解きも済ませて、いざ滑るとなるとまたテンションが上昇。高校生の体力は無限ですね。

 

貸出のウェア、持っていないクラスメイトは選んできていきましたが、まさかのそれがめっちゃ臭かった。授業で借りる柔道着並みに臭い。なので選ぶ基準が見た目では無く臭くないかどうかに代わる一同。私が借りたウェアもなんかダサかった気がします。

 

そしてボードや靴を借り。説明を一通り受けたあとはもう自由。その時、クラスメイト20人くらいで行ったのですが半分以上はスノボ初心者だったので非常に気軽でしたしスノボを好きになることができましたね。

 

初めてのスノボ。スキーを選んでいた友人もいましたがほとんどスノボを選んでいたような気がします。

 

スノボの滑り初めは座った状態から立ち上がって坂に対して前を向いて滑り出すはずなのに私はそれができず、四つん這いの状態からつま先立ちのようにボードを坂に引っ掛けて立ち上がり、徐々に方向と角度を調節して滑るという独特なのか、周りとは違う滑り初めをしていました。

 

20名ほどで行ったスノボ旅行ですが何人かのグループで滑るようになりまして、お昼の時間。どうしてゲレンデってあんなに上にあるんでしょうか。

他のグループと待ち合わせをして上へ上へとリフトで輸送される私。お昼の楽しみより降りる心配が勝ってきました。

人が入れないところも上から見下ろすことができて、気持ちよかった。何かの足跡なんかを発見して狐だ熊だと騒いだり。そしてたどり着く結構な標高のゲレンデ。

 

そこでやっぱりカレーを食べるわけです。まぁ美味しいこと。

運動して熱ってはいても気温は雪山。熱々の食べ物は格別に美味しかった。

 

そんな幸せもあっというま、登ってきた以上は降りなければなりません。

友人が昼食を上の方のゲレンデにしたのはこれが目的なのもあったのでしょう。体感的にはおおよそ坂などでは無く壁なのではないかと思うほどの斜面。そこを降ろうというのですから命知らずです。

 

どんどんと先に行ってしまう友人たち。恐怖で動けず残される初心者のクラスメイト。意を決して滑り出しますが、とんでもないスピードが出始める。

ブレーキをかけているにもかかわらず重力という超自然には関係ない。物理の授業で習ったろう。上から物が落ちるスピードは加速度的に上昇していき、それを止めるためにはかなりのエネルギーが必要になるのだ。

 

人生、諦めも肝心。落ちる時は落ちるのだ。

 

高校生ながらに悟りを開き、あとは滑るだけ。冷たい風が頬を打ち付けるがそんなのに脳の容量を割いている暇はない。とにかく生きて降りること。それだけを考えてたら。

 

なんか大丈夫だった。

 

死を実感するからこその生への喜び。

生きて帰ったのだという希望。

ふーんよかったじゃんという友人の薄い反応。

 

全てが一気に私のなかに押し寄せてきて。

さっき食べたカレーがお腹の中で暴れ出しました。

 

一休みしようと友人を誘い宿泊施設に戻り、そこで私は感じます。

”眠い”

そう、深夜バスで寝ずに移動して、朝から運動をして、はしゃぎ散らかしご飯を食べて、一息ついたらそりゃそうなるわ。

 

ちょっと休憩のつもりが私は寝てしましました。

その時です。一緒に休憩に来ていた友人が大声で歌い出しました。私を起こすためだったのかもしれません。とんでもない声量でした。しかもその歌は、当時ハマっていた藍坊主。私がお薦めしても誰も聞いてくれなかったのに君は覚えていてくれたんだね。

 

友人の大熱唱を子守唄に、私は意識を手放したのであった。

 

何時間か経ってからなのか、友人たちがわらわらと戻ってきました。

その声で起きる私。体に走る激痛。

高校三年生。部活も引退して進学に就職に体を動かす時間も減るもんです。そこに急に過激な運動するもんだから、高校生の若い肉体は即座に反応します。ええ、筋肉痛です。

おごごごごご。

う、動けん。スタンド攻撃か。

違います筋肉痛です。

 

さらに追い打ちをかけるように友人が言います。

「夕飯食べに行かないと、店閉まるよ」

またさっきの店に行くの??さらに夜は夜で滑れるんですってまぁ素敵。

カレー食べて滑って休憩してまたご飯かと思うけれど高校生はお腹空きます。

いきましたとも。上の方。

行くっきゃねぇとスノボ持っていきましたとも。

 

リフトに乗って乗り継いで、今度はラーメン食べて。

さぁ降りる。一度経験しました。そんなに怖くない。友人たちもさっきよりスムーズに滑り出します。

私もいざと滑り出したのですが、あれ、なんか違う。

 

Q.雪は冷えるとどうなりますか??

A.凍ります。

 

カッチカチの地面がそこにはありました。気軽に転んでいい状態じゃねぇ。一気の脳内警戒警報がレベル最大になります。

しかし凍結した雪面は滑りやすさも急上昇。ブレーキかけようにも滑りまくります。

 

あばばばばばばば。

 

そして審判はくだります。転びました。

転んだんですよ。止まると思うじゃないですか。滑るんです滑り続けるんです。体全体で、ソリみたいに。何メートル降ったのかようやく止まって、お尻が6つくらいになったんじゃないかってくらい痛みました。

 

しばらく動けなかったですね。

夜の雪山こえええええ。

暖かいところで寝たい。お布団でぬくぬくしたい。

そう思ったところで聞こえてくるのは広瀬香美。ゲレンデミュージックの女王の歌声。

 

慎重に慎重に滑って、私は寝床へと帰っていきました。

翌日もなんだかんだと楽しんで、無事大きな怪我なく旅行は幕を閉じました。

 

 

 

あれ以降ウィンタースポーツとは縁のない人生を送ってきましたね。

痛い目にはあったけれど、総じて良い思い出ですし、こうして思い出すたびあの時の友人の絶唱が聞こえてくるようです。

あの時何歌ってたっけな。

 

またスノボ、いきたいな。

思いを馳せて。熱いコーヒーを啜るのである。